ブラッカーヤーンのスーブラッカーさん著、ピュアウール

今日は“Pure Wool”と言う新書の紹介です。著者はブラッカー・ヤーン(Blacker Yarns)というイギリスの毛糸会社を経営するスー・ブラッカー(Sue Blacker)さん。ブラッカー・ヤーンは、イギリス西部にあるNatural Fibre Companyという製糸工場で、イギリス国産のフリースから作られる毛糸のブランドです。

私はよく編み物をしているとき、この毛糸ってどんな羊からどのようにしてできたのだろうと思います。食べ物でも、毛糸でも、電化製品でも商品ができるまでのプロセスって大切だと思います。この本は、そんな質問に答えてくれて、興味を起こさせるインスピレーショナルな本です。

ピュアウールはどのような本かというと:
この本の中では17種類の羊を紹介しています。それぞれの種類からどのような繊維とれるか、出来る毛糸はどのような特徴を持つかが、紹介されています。それぞれの毛糸を使ったユニークなデザインも、20種類も掲載されていました!


この本の特徴:
まず、毛糸がどのように製造されるかの説明。この説明はブラッカー・ヤーンの毛糸の製造方法で、とてもわかりやすく、そして詳しく書かれています。
私のお気に入りは、羊飼いの1年間の仕事のカレンダーです。とても興味深く読みました。次に、毛糸業界で使われる特別用語の説明がされてます。とても勉強になるし、なかなか普通の辞書には載っていない専門用語もあるのでニットオタクの私には最高!
17種類の羊から作られるそれぞれの毛糸を使ったデザインも、とても編みやすく、着回し出来そうな物ばかりでした。特に目についたのは、アマンダ・クローフォードさんのPucker Cable Tunic。メンズとレディース共通のデザインでかっこ良かったです。
羊の種類ごとに、羊の写真・取れるフリース・紡いだ毛糸、それを使って編んだスワッチの写真が載っています。



ニッターにとって楽しく学べる本:
この本を読んで、今まで以上に、イギリスの毛糸の製造工程理解できました。編んでいると、羊さんからとれる毛糸のありがたみが、今まで以上に感じられます。普通のメリノの毛糸でも、こんな羊からこの毛糸はできたのだなーと思いながら編んでいます!
いろいろな繊維から出来てるたくさんの毛糸は、種類によってセーターやカーディガンになったとき、ドレープがかわってきます。デザイナーとして、この特徴を理解することはとても大切なことですよね!
この本は英語でしか出版されていませんが、Amazon などで購入出来ます。でも、サイン入りの本が欲しい人は、スーさんのサイトからご購入ください。ついでに彼女の毛糸も買っちゃいそうですね。たくさんの種類が有るので是非サイトも見てください。