ゼロから始めるセーターの編み図の作成方法:1)プランニング

あっという間に今週は過ぎて行ってしまいました(汗)。この2週間ほどはめちゃくちゃ忙しかったのだけれど、ようやく だんだんスケジュールに追いついてきました。
I often wonder whether cats ever think they are "busy" or not...
こんなに忙しいのにうちの猫は余裕で寝ている。。猫って”自分は忙しい”とか思う時有るのかな。

この時間の速さを考えると、秋冬なんてあっという間に訪れて来ちゃいますよね。なので今からコットンアンドクラウド秋冬デザインを開始。今年はメンズのセーターをレパートリーに入れる予定。
そんな訳で私のニットの編み図を作成を全て紹介する事に決定。今回からシリーズとしてゼロからどのようにしてニットウェアを作成するかのハウツーを投稿して行きたいと思います。

今回第一回目は編み図を作成するにあたって一番最初のプランニング。要するにコットンアンドクラウド、ニットデザインのビッグバンですね(笑)。

スウォッチを編む前に大切なのがプランニング。一言で言うとこのプランニングは自分の作りたいニットウェアのアイデアをロジカルに組み合わせ具体的にします。デザインの全体的な骨組みとなるので大切なステップです。私が編み図を作成する時デザイン以前に一番大切なポイントとしては、“使えるニット”であり”着れるニット”で有る事です。編み上げたときに自分もそのニットを着る人も満足しなければなりません。

1.1誰がそのニットを着るか
赤ちゃん、子供、レディース、メンズ、ユニセックス、おじいさん、おばあさん、色々有ります。当たり前の様なのですがまず誰がそのニットを着るかをはっきりと決めるかによって編み図にどのようなモチーフ、毛糸を使用するか、デザインはどうするかなど正確に決める事が出来ます
例えば、これから私はメンズのセーターの編み図を作成します。自分の大好きな人(ボーイフレンド、旦那さん、お父さん、おじいちゃん)の為に編むセーターです。喜んでもらって出来るだけ沢山来てもらえる様なセーターにしたいと思っています。ですから絶対に編み終えられる様なプロジェクトであり(プレゼントとしてあげる日までに編み上げられる)、編む側にとっても楽しく編めるモチーフで男性も違和感無く着れる、と言う様なセーターをデザインしたいと思います。

1.2その人はどのようなセーターを望むか
ファッショナブル、シンプル、実用的、敏感肌なので柔らかいちくちくしないもの、などなど色々と有ると思います。考えて行くうちにVネック、丸首、フード付き、長い物、短いものなど形が自然に決まってきます。
例えばタートルネックの場合、敏感肌の大人だったら駄目かもしれないけれど、ファッションコンシャスな人には大丈夫とか。赤ちゃんやお年寄りだったらカーデガンの方が良いなどなど。
今回の新しいメンズのセーターのデザインは次の様な人が着るという推定でデザインします。
  • シンプルな物が好きだけれども、普通のメリヤス編みのセーターでは物足りない人。かなり編み込みが入っている物は重くて駄目。
  • 形は普通のクルーネックのセーターを好む人。ヘチマカラー、タートル、カーデガンなど複雑な物は苦手。
  • セーターはファッションと言うより、毎日普段気楽に来たい人。
などなど。
一番簡単なのは、セーターを編みたい人に“どんなセーターが欲しい?”と聞いて、その時に答える内容を考えること。実は私の旦那はかなりセーターを作成するには難しい人でどんな物が欲しいか聞いてもなかなか具体的な答えは返ってきません(添付したイギリスのコメーディーみたいな感じです)。そんな彼でも一応聞いて損はないです。でもそう言うときは自分のその人との経験と思い出で頑張ってください。




1.3毛糸の選択
毛糸の特質に関する本やサイトは沢山有るので(例えば英語の本だったらVogue Knitting 。そして英語のサイトだったらKnitter's Reviewsが参考になります)、ここには詳しく書きませんが、適切な毛糸を選ぶ事は使えるニットをデザインする中でとても大切です。例えば:
  • 毛糸は縮むか(ツイードはフェルト化しやすいし、デニムは縦に縮みます)。作るセーターは沢山洗う様な物か(例えば赤ちゃんもの)。
  • 染色材(自然な草木染めの物なのか、色は落ちやすいか(例えばコットン物)。
  • 作ったセーターは長く使いたい物かそれとも短期のファッション物か。
  • 素材はすぐに毛玉になりやすいか。
  • 肌がかゆくなる様な素材か。
などなど。
でも一番大切なのは、自分の大好きな毛糸で編む事です。

1.4もチーフ選び
個人的にモチーフを選ぶのは一番好きな段階です。でも時間もかかります。もしも普通のメリヤス編みで全部編む場合はこのステップは無視してオーケー。
このステップは実際のスヲッチを編む段階(次のシリーズで書きます)と重なり合います。私の場合はスヲッチを編みながら、パターンブックを見てインスピレーションにしてモチーフのサンプルを編みます。
ステップ1.2で考えたアイデアをもう一度復習しながらモチーフを選びます。例えば今回のメンズのセーターの場合、シンプルだけれどシンプルではないセーターにしたいと思うので出来るだけ簡単なステッチを探します。

A pattern swatch. Making tension gauge and swatch will be in the next series.
ゲージのスヲッチを編むのと同時にモチーフのスヲッチを編みます。
次のシリーズではゲージについてゲージの大切さ、計算方法など書きます。

それでは良い一週間を!