ゼロから始めるセーターの編み図の作成方法:1.2)サイズ

いや最近本当にイギリス暑いです。こんなに暑い夏は5年ぶりくらい。今日なんて30度。イギリスではあり得ない温度です。

Even my mannequins are enjoying the sun.

さて、今日はセータの編み図の作成方法シリーズでサイズの事について書きます。前回は第一段階のプランニングについて書きました。内容の量がかなり多いので、英語と日本語のポスト同時進行ではなく数日ずらして日本語にしています。

私にとってセーターを作る際に一番大事なポイントはフィット感。一生懸命作るのならフィットしたセーターを作りたいじゃあないですか。
体にフィットしたニットを作成する、そして編み図を作成する際に必要なスペシフィケーションドローウィング(製図)を書く為には全体的なニットの寸法(例えば首、腕の長さ、バストなど)を詳しく正確に測る事が大切です。スペシフィケーションドローウィングについてはまた今度書きます。

ニットの寸法を詳しく正確に測るには、私流で大まかに分けて二つの方法が有ります 
1)ボディーの寸法を測り、そこから計算する。
2)既にあるテンプレート(例えば自分や彼に一番フィットするセーターや、気に入っている編み図)を使用すること。
最高に良いフィットのニットを作るのならば色々な手段で試してみるのがグッド。

1)ボディーの寸法を測ってそこから計算する。
まず最初にボディーの寸法を測ります(もしも秘密でニットを作成したい場合は(2)を参照してください)。洋裁用の本やサイトにボディーの寸法の測り方は沢山有ると思うのでこのポストには詳しく書かない事にしました。でも自分的に一番大切なのは次の寸法を測る事です:
  • A: バスト(一番幅が大きな場所)
  • B: 脇から手首まで
  • C: 脇からウェストまで(この場合2−3センチ足すと体の動きにフィットするのでグッド)
上記の寸法はベーシックな骨組みになります。もしももうちょっと”肉”を足したい場合なら次の寸法を測ると助かると思います:
  • D: 首下中心からウェストまで(これからCをひくとアームホールの高さが計算されます)
  • E: ウェスト(一番狭い場所)
  • F: 首の付け根の幅
  • G: 腕周り(一番太い場所)
I thought this wooden model would be better than me posing naked in front of the camera....

ボディーの寸法 vs 実際のニットの寸法 = フィット感:

上で説明した様にウェストなどのボディーの寸法の他、実際の編み上がった後のニットの寸法を知る事が大切です。この実際のニットの寸法によってどのくらい体にフィットするかが決まってきます。英語なのですが最高に使えるVogue Knitting (The Ultimate Knitting Book) の中には下の様な表が有りました。
要するにこの表は:
  • 一段目(太文字)がバストサイズ
  • 左一列がフィット
  • 淡い青で書かれている寸法は実際のニットのバストサイズ(要するにセーターの胸囲)

例えば、自分のバストは34インチだとする。自分のニットをスタンダードフィットにしたい。その場合は実際の出来上がりのニットのバスとは36インチに作れば良いと言う事です。


バストサイズ 32"
(81cm)
34"
(86cm)
36"
(91cm)
38"
(96cm)
40"
(101cm)
きつめ
(ボディーハギング)
30"
(76cm)
32"
(81cm)
34"
(86cm)
36"
(91cm)
37"
(94cm)
ややきつめ
(ボディーコントー)
32-33"
(81-84cm)
34-35"
(86-89cm)
36-37"
(91-94cm)
38"
(96cm)
39"
(99cm)
スタンダードフィット
(ボディースキミング)
34"
(86cm)
36"
(91cm)
38"
(96cm)
40"
(101cm)
41"
(104cm)
ルーズフィット
(ストレートハンギング)
36"
(91cm)
32"
(81cm)
40"
(101cm)
42"
(106cm)
43"
(109cm)
オーバーサイズ
(フル又はルーミィー)
37"
(94cm)
or more
38"
(96cm)
or more
41"
(104cm)
or more
44"
(112cm)
or more
45"
(114cm)
or more

デビーエイブラハムさんの本Design Your Own Knits in 5 Easy Steps(ちなみにまた英語の本なのですがめちゃくちゃ使えます。)では、フィットするニットを作る為に自分の体の寸法に何センチか足すと書いてありました。
フィット 自分のバストにプラス(もしくはマイナス)する寸法

きつめ
マイナス 1 - 2 cm (1/2 - 3/4")
ややきつめ プラス 1 - 2 cm (1/2 - 3/4")
スタンダード プラス 3 - 6 cm (1 1/4 - 2 1/4")

やや大きめ
プラス 6 - 8 cm (2 1/4 - 3 1/4")

大きめ
プラス 10 -15 cm (4 - 6")
ルーズ プラス 18 cm (7")以上

2)既に持っている物を型として使う

2.1 お気に入りセーター

ニット界のマザーテレサ、エリザベスジィマーマンさんが色々な本(例えばThe Opinionated Knitter)に書いている様に、既に自分やセータを作ってあげる人にフィットしたセーターをテンプレートとして使用するのが一番簡単です。
経験上、そのときに気をつけたいのがテンプレートに使うセーターは使用する糸や、厚さ、触った感じなど出来るだけにた物を使用すると失敗が防げます。この方法だったら内緒でサプライズのセーターを作成するときにぴったり。

2.2 お気に入りの編み図

今まで自分で編んだ事のある編み図の中で気に入っているフィットの物をテンプレートとして使うのもグッド。このときに一番気をつけたいのは出来るだけ模様や毛糸の太さが同じ物を使うとの事。例えば並太の毛糸を使いたい場合は並太のパターンのテンプレートを使うなど。

2.3 その他

インターネットの洋服のサイトのいくつかをブラウズして、気に入ったセーターのサイズを調べるのも良いでしょう。サイトによってはバスとサイズしか載っていないところもあるけれど、例えば私のお気に入りのBodenなど場所によっては実際の洋服の寸法(例えば袖の長さなど)を記載している所も有ります。

色々な方法を使って一番フィットしたオリジナルのセーターを作りましょう!